ドラマで知る韓国と日本の文化の違い
刑務所から出所する時に豆腐を食べさせるのはなぜ？
刑務所から出所する人に迎えの人が豆腐を手渡すシーンをよく見ます。
受け取った出所者は、ビニール袋に入った豆腐を味付けもなく無造作にガブリ。
久しぶりに自由の身になったのに、始めに食べる食事がこれですか？と不思議に思っていました。
この『この刑期を終えた時に豆腐を食べる』という風習には諸説あるようです。
説1：豆腐のように真っ白な心に生まれ変わって人生をやり直せよ！と言う教訓
説2：刑期中に不足した栄養を補うため
説3：刑務所での質素な食事からいきなり豪華なものを食べては消化不良を起こすという心づかい
なるほどです。でも一滴でも醬油をたらしてほしいものです。
食べようとしているスプーンの上におかずをのせるのはなぜ？
スプーンでご飯を食べようとしている時に、横からその上におかずををポンと乗せる。
しかも、取り分け用の箸ではなく自分の箸で。
韓国ドラマで良くあるシーンですが、初めて見た時はギョッとしました。
これは、大切な人に『たくさん食べてね！』という愛情表現のひとつらしいのですが…。
親が子供にしてあげるのは、まあ許せる。
恋人や夫婦間では、ちょっと抵抗あり。
義理の親からお婿さんやお嫁さんに、イヤイヤ絶対無理です。
おかずを乗せられる前に急いでご飯を口に入れてしまいます。
韓国人は愛情豊かで、他人であっても距離感が近いですね。
インスタントラーメンを鍋のふたで食べるのはなぜ？
韓国の国民食の一つインスタントラーメン。
日本で言う“袋麺”タイプのインスタントラーメンですね。
インスタントラーメンを作る専用の鍋があるほど親しまれ、スーパーに行けば棚一面に袋麺が並ぶほど種類も豊富にあります。
親しまれる理由は、安い、早い、簡単！
日本のように、野菜や焼豚などの具はほとんど入れず、卵を割り入れる程度。
あっという間に出来上がります。
そして、熱いものをアツアツで食べたい韓国人は、どんぶりに移す手間を惜しみ鍋と蓋を使って食べるわけです。
これなら洗い物も増えず一石二鳥ですね！
誕生日にワカメスープを食べるのはなぜ？
韓国では誕生日の朝にワカメスープを食べる風習があります。
韓国の特産物でもあるワカメは、ビタミン、ミネラル、カルシウムが豊富な栄養食材。
お母さんたちは産前から産後1ヶ月の間、毎日ワカメスープを食べて栄養補給します。
そうすることで、産後の肥立ちがスムーズにいき、母乳の出も良くなるのだとか。
誕生日にワカメスープを食べるのは、自分を産んでくれたお母さんに感謝する意味と、子供を産んだ時の喜びを思い出す意味があるそうです。
お酒を飲む時に横を向くのはなぜ？
歳上を敬う儒教精神が根付く韓国では、先輩や上司、家庭によっては親の前でお酒を飲むことは失礼にあたります。
なので、年下がお酒を飲むときは横を向き、年上の人から見えないように配慮しているわけです。
ちなみに、日本ではグラスのお酒が半分ほどに減っていれば、すかさずお酌をしますが、韓国では継ぎ足し厳禁です！
グラスが空になってから継ぎましょう。
お茶碗を持たずに食べるのはなぜ？
日本ではお茶碗を持たずに食べるのはお行儀が悪いとされていますが韓国では真逆。
お茶碗を持って食べる方がお行儀が悪いとされています。
時代は遡って朝鮮王朝時代。
当時の貴族は、料理が盛られた数々の小皿を食卓に並べて食べるスタイル。
その頃からお皿は置いたまま食べる習慣でした。
数種のお惣菜を食卓いっぱいに並べるのは、ドラマでも良く見る光景で現在でも続いていますね。
現実的なもう一つの理由は『熱いから持つと危ない』です。
韓国の冬は寒いため、食事は暖かく体を温めるものが好まれます。
さらに、ステンレス製の食器を使うので、熱い食事を入れれば当然熱くて持つことはできません。
このように二つの理由から食器は持たずに食べるのがマナーです。旅行に行った際にはお気を付けください。
飲食店で食事中もコートを着たままなのはなぜ？
カフェであれば分かりますが、まあまあオシャレなレストランでも、お酒を飲む居酒屋でもコートを着たまま食事をするシーンをよく見ます。
マナー違反なのでは？コートに臭いが移っちゃうのでは？なんて心配になっちゃいます。
しかし、食事中であっても頑なにコートを脱がない理由は単純です。
それは『寒いから！』。
韓国の中で北部に位置するソウルは、緯度で言えば新潟県と同じぐらいですが、冬の平均気温は札幌並みの寒さになります。
座った席が入口に近かったりしたら、出入りする人に殺意を抱くレベルの寒さです。
そして、コートを着たまま食事すること自体、韓国ではマナー違反にあたらないので、やせ我慢してコートを脱ぐ必要はないという事です。
